みなさん、こんにちは。
長崎県諫早市小長井町の漁師、『宝の海のお届け人、植木』です。
先日の大雨を境に梅雨明けしましたね。
「これまで経験した事の無い、大雨」とニュースで言われていたように、
諫早も物凄い雨でした。
そんな大雨の中、私は、
小型船舶免許の実技試験。
途中、雨足が酷く、波もボチボチ。。。
悪条件の中、合格できました。
2日間の学科と1日間の実技。
計3日間の受講となりましたが、何が辛かったって、
これまでデスクワークの仕事をしていたのに、机に座っての座学で、
肩こりが半端なかったこと。。。
クラゲ漁に出た方が、
楽だったかも(笑)
61年前の大惨事。
各地で、甚大な被害が出ておりますが、
今回の大雨でお亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
私が住む、諫早市でも61年前の7月25日~28日にかけて『諫早大水害』が発生しました。
死者・行方不明者が630名(諫早市役所HPより引用)という大惨事。
原因は、大雨により本明川(別名:暴れ川)が氾濫し、土石流が発生した事によるものです。
眼鏡橋が架かっていました。
その頑丈さゆえに、
コレに流れてきた瓦礫が引っ掛かり、被害を広げたとも言われています。
現在は、
諫早公園に移設されています。
この眼鏡橋の移設を始め、川幅を広げたりと整備がされ、
暴れ川は今の所、静かにしてくれています。
そして、毎年7月25日には、この水害で亡くなられた方々の冥福を祈り、防災への誓いを新たにするために、
諫早万灯川まつりが行われています。
今年は、花火を見に行けるかな?
61年前の大雨と、今回の大雨を比較してみる。
先日の大雨、諫早市にも大雨特別警報が発令されました。
県内で最も雨が降ったのは、雲仙岳。
5日からの降り始めから、7日の8時までに379mmだったようです。
本明川やばい pic.twitter.com/hkRd8Ojs0q
— こーへ (@kouhivvn1) July 6, 2018
こういった様々なツイートが検索できます。
ここまで増水した本明川は滅多に見る事がないので、
近隣住民の方は、ご心配だっただろうと思います。
61年前の諫早大水害の時は、
南高来郡瑞穂村西郷(現・雲仙市)では24時間降水量が1109mmという驚異的な降水量を記録し、6時間降水量と12時間降水量では日本歴代最高記録を記録している。
とWikipediaにはあります。
今回の雨の約3倍位の雨が降った事になります。
しかも24時間という短時間で。
61年前の惨事が起きなかったのは、単純に雨量の桁が違うという事。
諫早湾干拓事業で造られた、潮受け堤防は機能した?
諫早湾干拓事業で造られた、
潮受け堤防。
大雨時には、調整池(写真:茶色)で水位を調整し、既定の高さに達すると海へ排水します。
図に書くと、
こんな感じ。
調整池は、海抜-1.0mでキープされています。
ここで、基本的な事。
水は、高い所から低い所に流れる。
今回の大雨の時は、小潮(干満の差が少ない)でした。
大潮の時の干潮時は、じゃんじゃん調整池から水を流しやすいですが、
小潮となると、そうはいきません。
潮が、あまり引かないからです。
ポンプアップして、ある程度は流せるようですが、限度はあります。
その条件を踏まえて考えると、ある程度の役目は果たしていると考えます。
が、
61年前の諫早大水害のような雨量で、もし、大潮の満潮だったら?
御上が示す、データの信憑性。
お役所の方は、よく「データによると」とか、「シュミレーションによると」といった言い方をよくされます。
大雨の時も本当にそうなるか?疑問です。。。
漁業被害で言うと、
諫早湾干拓事業に着手する際の環境アセスメントによる国の説明では、
「諫干を行っても漁業被害は2割程度。」
といった説明でした。
コレにより、諫干反対から賛成(渋々)に回った方も多いと聞きます。
でも実際は、収入が2割程度に減。
あなたなら、どうでしょう?
国がそう言うのなら信じますよね?
更に『防災』と言われたら、諫早大水害で亡くなられた方々と現に住まれている方の顔が浮かぶのは、当然です。
でも、そのデータやシュミレーションが信用出来ないものだととしたら?
ここ2、3日で調整池の水が有明海に大量に排出されています。
過去、この大量排水で赤潮が発生したりと漁業被害が出ています。
今回は、どうでしょうか?
現に3日、海水が濁りクラゲの姿が見えず、漁ができていません。
梅雨明けして、カンカン照りの日が続くと赤潮が出やすくなります。
醤油色に染まった、有明海。
アサリの稚貝や牡蠣の養殖に被害が出ないことを切に願います。。。
そいぎんた、また。