みなさん、こんにちは。
長崎県諫早市小長井町の漁師、『宝の海のお届け人、植木』です。
台風7号の被害は無かったですか?
大した事ないと油断していたら、強風が長時間続いて、
庭の樫の木折れたり、植木水産のシャッターが壊れたりと・・・。
自然を舐めては、イケナイですね。。。
ちょっと、時差ボケ気味。
最近の私は、昼間や夜に漁に出ていて、少々寝不足気味です。
昨日も21時に出港し、4時に帰宅しました。
変にテンションが上がっているので、寝付いても直ぐに目が覚めてしまう(汗)
結局、8時に起床。
目がシュパシュパします。
有明海の赤いダイヤの正体は?
そんな寝不足の中、何を獲っているかというと、
コレです。
このグロテスクな生き物の正体は、ヒゼンクラゲです。
大きさが伝わりにくいですが、
大きいもので、傘の直径が80cm、重量20kgになるものもあります。
コレを
タモ網ですくいます。
すくうのも結構難しいんですが、コレを船に揚げるのが大変なんです。
大きいものは20kg(ほぼ、水分)あり、大量の日は1トン位獲れます。
コレを全部、手で揚げますので相当な肉体労働です(汗)
常に筋肉痛状態です。。。
お陰で最近、胸筋が発達してきました。
山ピーのような、
胸筋も夢ではないかも!!
注意しておきたいのは、胸筋はそうなったとしても、顔はそのままだという事(笑)
ビゼンクラゲの需要は?
このビゼンクラゲ。
中華料理には欠かせない高級食材です。
きゅうりの酢の物にすると、絶品です。
しかし、有明海で水揚げされたビゼンクラゲのほとんどは、中国に輸出されます。
中国でも獲れてもいるようですが、日本ほどの水揚げが無く、
希少価値が高いため、高級食材になっているようです。
1日で、数十万円の水揚げをされる方もおられ、
まさしく、『有明海の赤いダイヤ』といっても過言ではありません。
ビゼンクラゲ、味という味は無いと私は感じますが、
このコリコリとした食感が、いいんです。
木クラゲに似た食感。
食材として使うには、ミョウバンに漬けたりと加工が必要で、
最終的には、1/10位の大きさにまで縮みます。
ほとんどが、水分だからです。。。
ビゼンクラゲを巡って、争奪戦。
2012年、有明海でビゼンクラゲの大量発生がありました。
通常クラゲって、網にかかったりと『厄介者』扱いされていますが、
大量発生の情報を聞き付け、中国の業者さんが買い付けに。
しかも、高値で取引されます。
その年によって、漁獲量はバラバラですが、今年もビゼンクラゲを巡って、
長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県の有明海沿岸の漁師さんが有明海に船を出します。
ビゼンクラゲは、潮や風にのって漂いますので、その日その日で獲れる場所が違います。
「今日は、どこに浮くのか?」情報交換をしながら漁をします。
100隻位の船が密集し、
『有明海の赤いダイヤ』の争奪戦が繰り広げられます。
まさに『漁師の世界』。
初めてこの光景を見たときは、正直引きました(汗)
4Kの仕事。
漁師の仕事は、『きつい、汚い、危険』の3Kの仕事と言われますが、
このクラゲ漁は、4Kの仕事のようです。
『きつい、汚い、危険、稼げる』の4K。
近年は、この時期の貴重な収入源になっています。
もしかしたら、「儲かっていいね!」と思われるかもしれませんが、
先に書きましたように、相当な重労働。
これまで、デスクワークをしてきた私にとっては過酷を極めます。
日中は炎天下で、大量の汗をかき、長靴が海水でなく汗でグッチョリ。
顔は、メガネ焼け。足は、アザだらけ。
そう、命懸け。
また、今はそれなりに獲れていますが、
乱獲が進むと獲れなくなる可能性だってある。
自然相手、自然の摂理なんです。
これだけは、忘れてはいけない大事な事。
自然の恵みに感謝し、日々仕事をしないといけませんね。
そいぎんた、また。