みなさん、こんにちは。
長崎県諫早市小長井町の漁師、『宝の海のお届け人、植木』です。
今更ですが、サッカー日本代表やりましたね。
アジア勢として、南米代表チームに勝ったのは史上初との事で、
歴史的な勝利ですね!!
次戦のセネガル戦もやってくれるでしょう!!
漁民ネット。
さて昨日、有明海漁民・市民ネットワーク(通称:漁民ネット)の矢嶋さんと菅波さんが東京から長崎に来られるということで、お会いしました。
今回は、あるプロジェクトの内容がメイン。
非常に楽しみです。
漁民ネットの方とご縁を頂いて、約1年。
1冊の本から、漁民ネットの方々の存在を知り、
東京で初めてお会いした時の写真です。
待ち合わせ場所の東急蒲田駅とJR蒲田駅を間違え、相当焦った事を思い出します(笑)
「蒲田駅」と聞いて、駅名は一つしか無いという田舎者の解釈によって・・・。
それからというもの色々な方とのご縁を繋いで頂けました。
漁民ネットの方には、大変感謝しています。
営農者の方と会ってみたい。
これは、以前から考えていました。
漁業者は勿論、営農者だって飯を食っていかないといけない。
私は新聞・テレビをはじめとするメディアの情報から
『漁師 vs 農家』というバチバチの関係があるものだと考えていました。
確かに以前は、そのような構図があったのは間違いないのですが、今は少し違うようです。
それに火種を付けたのが、福岡高裁で出た『開門判決』です。
そりゃ、干拓地で営農をされている農家さんの気持ちは分かりますし、
漁民の気持ちは、勿論分かります。
このままでは、平行線で何一つ解決しない。
つまり、有明海の環境はないがしろにされ、『死の海』と化していく。
何か出来ないだろうかと考え、まずは農営者の方と話をしてみたいと思っていました。
あっ、知ってもらいたい開門についての大事なポイントが2つあります。
①開門して、調整池に潮が入ってきても調整池の水は使っていないので、問題ない事。
②大雨時には、排水門で水位を調整できるので、市街地の浸水被害は無い。
(100年に一度レベルでは、どうなのか不明?)
この2つは、是非知って頂きたいです。
(株)マツオファームの松尾社長。
漁民ネットの矢嶋さん、菅波さんとの話を終え、次の行き先を尋ねると、
「マツオファームの松尾さんの所に」という事だったので、同行させて頂きました。
島原市内にある事務所の入り口に着くと、なんか緊張・・・。
漁師という立場の私にどんな反応をされるのか、正直不安でしたので。
話してみると、不安は何だったのかと思うくらい、温かく迎えて頂きました。
(株)マツオファームさんでは、
赤シソを使ったジュースに力を入れられていて、
青臭さは感じず、サッパリした後味が美味しかったです。
大手デパートの玉屋さん、大丸さんでも販売されているそうです。
そして現在、試作中との事でしたが、
シャーベットアイスも。
これからの季節にいいですね。
正直、干拓地でできた農作物を初めて口にしたかもしれない。
営農が始まって、10年も経つのに。
あと、島原市内の漁師さんが作った、ワカメや昆布を使ったコラボ商品も頂きました。
ここでしか食べられない、贅沢な一品に感動。
松尾社長、お会いできて大変良かったです。
ありがとうございます。
知ってもらいたい、諫干のホントのこと。
松尾社長の話を聞くと、中央干拓地の環境が就農に厳しい3つの理由をお聞きしました。
①夏は猛暑、冬は厳寒。
②潟(ガタ)地質の為、水はけが悪い。
③カモ等からの食害。
①は、もし調整池に潮が入って循環していたら、海風が吹いて熱が逃げていきやすいですが、調整池は殆ど動かないので、熱が逃げない。
冬も同様。
通常、海水温は外気温よりも高いが、調整池は冷やされ続ける。
の冬の平均気温と同等レベルと聞いた事があります。
②、③も同じですが、それは自然の摂理であるということ。
そして一番、衝撃を受けたのは、
国や県と就農契約を結ぶ際に、
「国や県のいう事に従います」という内容の同意書にサインしないといけないそうです。
つまり、この開門・非開門についても、
開門する事で、営農への被害へあまり関係がなくても言いにくい立場に農家さんがあるようです。
そう、この『漁師 vs 農家』という構図を作っているのは・・・。
もう、お分かりだと思います。
間違った公共事業でも、一度始まってしまうと止められない。
そして工事が完成しても、ずっと問題が解決しない。
この諫早湾干拓事業は、何の為の誰の為の事業だったのか?
そいぎんた、また。